『医師の作った「頭のよさ」テスト』本田真美

頭のよさには種類がある、それは認知特性(視覚優位、言語優位、聴覚優位)による、という話です。タイトルにある「頭のよさ」テストは、頭の良い悪いを判定するものではなく、どの認知特性が自分の中で優位にあるかを判定するものです。以下の6種類に分けられるそうです。

A 視覚優位者

 ①写真のように二次元で思考するタイプ(写真(カメラアイ)タイプ)

 ②空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ(三次元映像タイプ)

B 言語優位者

 ③文字や文章を映像化してから思考するタイプ(言語映像タイプ)

 ④文字や文章を図式化してから思考するタイプ(言語抽象タイプ)

C 聴覚優位者

 ⑤文字や文章を耳から入れる音として情報処理するタイプ(聴覚言語タイプ)

 ⑥音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプ(聴覚&音タイプ)


35問の認知特性テストを実施すると、自分の特性がわかります。ちなみに私は④の言語抽象タイプが抜群に強く、②と⑥が弱いと出ました。確かに、教科書等を理解するのが早くてペーパーテストに強く、一方で人の顔はほぼ覚えられず(三次元に弱い)、メロディーにも弱いのでカラオケが苦手です。なるほどなー、と非常に納得しました。

この認知特性を理解すると、他人とのコミュニケーションがしやすくなります。相手の認知特性に合わせて情報を渡せば、理解してもらうのが早いからです。


①写真タイプは、1枚の写真のように頭の中に記憶します。そのため、情報処理が非常に早いです。私の夫(奇しくも筆者の旦那様も同じだそうですが、そうではなく、このブログを書いている私自身の夫です)もこのタイプで、私のパソコンの画面をちらりと見て何が書いてあるかを記憶します。一瞬で全部を理解するというより、写真として頭に入っているため、あとで思い返して「さっき見てたメールの下のほうに連絡先の電話番号が書いてあったよ」とか言うのです。メールを読んでいた私のほうが覚えていないのに怖いなあと思うことがあります(笑) 記憶力がよく、紙で渡したものは必ず覚えています。

②三次元映像タイプは空間や時間軸を加えた理解が得意です。昔の同僚にこのタイプと思われる人がいましたが、人の顔を覚えるのが得意で(顔が三次元だからみたいです)、多面的に物事の理解をするため非常に創造的なタイプのようです。ただ、彼女に見えているものを他人に言葉で説明するのは難しいようで、その豊かなイメージは文章ではなく視覚的なプレゼンテーションとかを使うと伝わりやすいようです。が、言語優位だった当時の上司には理解されず、辛かったようでした。絵や習字が得意だそうなので、そういう方面に力を発揮するのかもしれません。

③言語映像タイプはイメージを言葉にできる人です。映像を言語化したり、言語を映像化したりするのが得意な人で、コピーライターなどはこのタイプだそうです。ファンタジーの世界観が強く、聞いた言語からイメージを膨らませるようです。そういえば高校の同級生に、抽象的なテーマからダンスの振り付けを創り出すのが得意な子がいました。長じて童話を書いたりもしていました。このタイプだったのかもしれません。

④言語抽象タイプは、わかりづらい文章を図式化するのが得意です。ノートに相関図をまとめたり、歴史を家系図で理解します。私も英単語を覚えるのにひたすら書きました(笑) 初対面の人を覚えるのは、名刺に書かれた文字としてです。聞いた文章も読んだ文章も、頭の中で図式化してからでないと理解して覚えることができないので、情報の処理に時間がかかります。写真タイプや聴覚言語タイプと話をすると、相手の話の速さについていけない時もあります。このタイプの上司に決裁をもらうときは、活字でレポートにまとめて提出すると話が早く覚えもいいのですが、逆に話し言葉で説明すると理解されづらいうえにOKを出したのを忘れられてしまうことがあります。

⑤聴覚言語タイプは、言葉を聞くのが得意なタイプです。相手が話している音だけで理解ができ、ダジャレが得意だそうです。私の昔の上司にこのタイプの人がいましたが、④のタイプと逆に、紙にまとめて提出したものを読んでくれたことはほとんどありません。口で説明しないといけないのです。口で説明すると、説明の隅々まで理解し覚えてくれます。メモを取らなくても話を聞いているだけで覚えられます。話が早くて助かりますが、向こうの指示もすべて口でわーっと説明されるので、受け手が私のように言語優位や視覚優位だとちょっと大変です。私はいつもメモ紙を持ち歩くようにしていました。

⑥聴覚&音タイプは、音階や音色という情報も処理できるタイプです。私の妹がこのタイプだと思います。絶対音感の持ち主で、音楽を聴くとほぼ忠実に再現できます。ピアノがあれば再現は完璧です。新しい曲も、友だちが一度歌っているのを聞けば、後日別の機会に自分で歌うこともできます。この⑥の特性がほとんどない私の場合は、カラオケで歌う曲のためにCDを買って何度も聞いて、出来れば譜面を見て覚えて、ようやくちゃんと歌えるようになるのですが、そういう努力は一切必要ないようです。当然、このタイプはカラオケが好きになると思います。


(写真はバルセロナのグエル公園。設計者のアントニオ・ガウディは建築家であるうえ、設計図よりも模型を重視して設計したといいますから、おそらく②の三次元映像タイプが強かったのではないでしょうか)

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ちょっとこれ、いいかも。

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