『言ってはいけない』橘玲

橘玲(たちばなあきら)さんの本が好きです。ここ数年、新刊が出るたびに買ってる気がします。また、紹介してくれる本もなかなか面白いので、そのあたりもだいぶ追っかけてます。

ですので、記念すべき初投稿は橘さんの本の紹介をしたいと思います。

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書、2016.4)です。

Ⅰ 努力は遺伝に勝てないのか

 実は遺伝が人生の多くを決定している(が、言ってはいけないことになっている)という内容。アメリカでも日本でも「知能による社会の分断」が起きているようだ。様々な環境要因を取り除いて純粋に遺伝だけで考えると、知能の高低は遺伝で受け継がれるということが証明されてきている。一般人的な感覚から考えても、鳶が鷹を生むのは少なくて、蛙の子は蛙というのが一般的と思われるから、経験的にわかっていたことが証明されたというだけなのだが、証明されても大声で言えないというのがポイントだ。

Ⅱ あまりに残酷な「美貌格差」

 美人とブスでは経済格差は3600万円もある、という内容。わかっちゃいるけど、どうやっても美人に分類できない自分の身から考えると非常に残念(笑)。ちなみに3600万円というのは、生涯賃金の差。生涯賃金の平均は3億円と言われているから、1割以上違うわけだ。別にこれは女性に限ったことではない。男性のほうは金額では語られていないが、信用できるかどうかとか、リーダーシップがあるかとかについて、ほぼ外見で判断されてしまう。男女ともに見た目が9割、ということかもしれない。

Ⅲ 子育てや教育は子どもの成長に関係ない

 子どもの成長には、親の教育よりも遺伝と「友だちの世界」が重要である、という内容。親である人にはショックな内容だと思う。どんなに教育を頑張っても、結局のところ遺伝と、友だちの中での立ち位置等が子どもの人生を決めていく、ということだから。とはいえ、昔から「孟母三遷」ともいうわけで。孟子の母は教育のために3回引越ししたわけですよね。墓地、市場、学校と。環境要因が重要だというのは、これもまたわかっていた話であるが、現在はそれが証明されたからすごいともいう。


いずれも、なんとなくわかってはいたけど、なかなか口にできないことなので「言ってはいけない」。でも現在では科学的に証明されてきているから「真実」なんですね。

本では様々な角度から証明がされていて一つ一つが納得できて面白いです。新書だから薄くて読みやすいですし。私がすごく納得した(けどあまりここには書きたくない)のが、「女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?」と「女子高ではなぜ望まない妊娠が少ないのか」でした(笑)

(写真はミュンヘンのマリエン広場のマリア像。記事には関係ありません)


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ちょっとこれ、いいかも。

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